INDEX
 
「洗車の明日について」の三つの話
- 一話 洗車とキャッシュレス
- 二話 禁煙と喫煙、どちらも大きなお客様
- 三話 日本にはなぜ洗車屋がない?
 
How to KeePre Tool
- 快洗内窓クリーナー
 
アイ・タックは変わる?
- 更なる飛躍に向けて、谷基司常務激白インタビュー
 
快洗隊最新情報
- 快洗隊直営名古屋一号店発進!
- オートパラダイス快洗隊10月16日オープン!!
- 東京営業所移転します!
- 快洗隊、ユニフォームが変わった!
 
がんばっているお店たち
- (株)松栄グリーンタウン四街道SS
- 垣見油化(株)亀戸SS
- (有)笹倉石油小阪給油所
- 丸一石油(株)
 
世の中のシゴト

- 第2回 自動販売機ビジネス

 
今月の実績
- 全体総括
- 刈谷店
- 知立店
- 安城店
- 北神戸店
- 相模原店
一話 洗車とキャッシュレス


現金を使わない
 キャッシュレス時代とは今更ながらではあるが、私達は生活の中で、現金を使わなくなってきている。
 出張をしても、JRは「エクスプレスカード」か「JRカード」を使う。高速道路は割安の別納カードを使うが、最近は、その別納カードで「ETC」を利用している。燃料は元売り発行のクレジット。飛行機では、国内便はクレジットカード、国際便はエージェントからの請求になる。その方がはるかに安い。レンタカーも、レンタル会社発行のカードを使うとずいぶん割引になる。
 誰かと食事をして、何千円以上の支払いならば、ほとんどの場合カードを使う。これは国内でも海外でも一緒だ。国内でもそうだが海外での出張でも現金はほとんど使わない。たぶん現金を払うのは、タクシー代と空港税の支払いとか、ラーメン屋さんなどの一人何百円止まりの食堂での支払いだけ。
 本当に現金を使わなくなった。現金を使わず何らかのカードを使うわけだが、そのカードを発行する側としては、何とか自分たちが発行したカードを使ってもらおうと努力をする。方法は、オマケを付けるか安くなるメリットを付けるか。

知らず知らずの囲い込み
 販売側の会社が発行しているカードならば、そのカードの発行は、自分の店舗で消費をして欲しいことが大きな目的である。最大の目的と言ってもいい。カードによる「顧客の囲い込み」ということ。これは販売戦略として非常に大きな要素でもある。オマケを付ける方法の代表選手が航空券のマイレッジである。
 マイレッジは、溜まるのがけっこう早くて本当に楽しみだが、決まった航空会社に集中して乗らなければ貯まらない。さらにマイレッジは、会社のお金で飛行機に乗って、そのバックが個人に戻ってくるという、真にビジネスマンの心情をくすぐり的を得た企画であった。
 何らかのカードなどを使っての顧客の囲い込みは、販売戦略上、避けて通れない問題である。

クレジットとプリペイド
 カードには、後で支払いをするクレジットカードと、あらかじめお金を払ってから、カードを使う「プリペイドカード」がある。
 クレジットカードは、今お金がなくても商品を買うことが出来る消費者側の利便性と、その代金が決済されない、つまり焦げ付く恐れがあるという販売側のリスクがある。そのリスクを拡散して薄くするために信販会社があり、その信販会社を通すことによってリスク集中を避けている。
 クレジットカードで物を販売すると、販売店からクレジット手数料として2〜5%程度クレジットカード会社に天引きされる。これは「手数料」というより、クレジット利用者にある一定の焦げ付きが出ることを前提としたリスクヘッジ料と言える。
 ならば、クレジットと決済方法が逆になっている「プリペイドカード」はどうか。これは、販売者にとって有利な条件が揃っている。先にお金が支払われてからカードが発行されるので、焦げ付きの発生は原理的にない。ランニングコストは、ほぼプリカ本体の発券コストのみ。プリカは、販売者側にメリットが大きい分、消費者へのメリットも付けやすい。プリカの大部分は何らかの形の割引きを伴って発行されている。

採算割れの割引率?
 プリカの元祖「テレフォンカード」では、1,000円で1,050円分の度数があり、割引率5%である。かつては、5,000円とか10,000円のテレカもあり割引率も高かったが、カード自体が構造的に偽造されやすい欠点があった。
 ハイウェーカードも、50,000円で58,000円分という16%引きという高い割引き率のものもあったが、今は高額なカードはもう販売されていない。割引率が高過ぎて、採算性に大きく影響したからだろう。
 プリペイドカードとは、世の中がキャッシュレスの便利さを享受する方向を向いていることと、焦げ付きのリスクの分散という無駄なコストもなく、消費者にとって一番のインセンティブである割引を、容易に提供できるシステムとして、非常に有用であると考えられる。
 ただ、採算に大きく影響するほどの割引までをやってしまいがちであることは、十分に注意すべきであるようだ。

継続性が見込める設定こそがプリカの命
 このキャッシュレスの時代に、洗車も自前のキャッシュレスの仕組みを持つことは、今後、必要なことと考えている。そして、その仕組みは顧客の囲い込みに有効な仕組みであるべきであろう。そう考えていくと、プリカ(自前の商品券も含む)は、多くの意味でもっとも適切であると思える。
 しかし、洗車の販売にプリカを採用するに当たっては、10%を越すような、採算に大きく影響し経営的に致命傷になってしまうような大きな割引きを添加しやすい体質を持っていることを、よくわきまえた上で採用することが必要である。
 私的な感覚で言えば、5,000円の洗車プリカで5,300円分、300円(6%)の割引添加。10,000円の洗車プリカで10,800円分、800円(8%)の割引添加が、洗車を事業と考える観点での限界ではないだろうか。プリカを提供する側と、買う側と、両方ともがプリカを利用し続けられる一番よいバランスと感じる。続けられるものでなくてはやるべきではない。